2012/10/16

柔らかな束縛




リゾームは非線形、複雑系を踏まえた
ビジネスモデル。





それは資本主義の土台が理論操作可能な
ヒエラルキーから、理論では操作不可能な経済へと
パラダイム転換が生じているという予測から発案したものです。





散逸や自己組織化、創発などは、
閉鎖型では生まれません、
感情などを内包した生命的システムのみ、と言えます。





もちろん、感情だけでは片手落ちであって
大事なのは理論と感情を繋ぎ、一つのループとする事。
ミクロ・マクロ・ループは日本ならではの概念です。



そんな性質を持った複雑系経済に
対応するためには、どうすればよいのでしょうか。




今日はそんな小話を。





複雑さの帰結―複雑系経済学試論/NTT出版


¥3,150

Amazon.co.jp





そもそも複雑系とは、理論が通用しない事から
意図的に設計、構築、管理ができません。


どのように構築され、管理できるのかなど、
正確に予測できないのです。





なぜなら我々個人が管理されず、自由に織りなす
行為(状態)が生みだすものである以上





階層を作り、上が作ったルールで管理しようとした途端、
閉鎖系となる。エントロピーよろしく崩壊するのです。



そこに管理の手が入る以上、必ず抑圧が生まれる。
よって組織においては適度な自由を個人が掴む必要があります。



ニュアンス的には「柔らかな束縛」とでも言うのでしょうか。



☞ ☞



内に外に開かれる。
フレキシブルな企業、風通しの良い企業、





止まることなく流れ、常に前向き、クリエイティブ。
自らを楽しめる人材が集まり、交流し、
そこから新しい発見が生まれていく・・・・



これは言葉にするのは容易いのですが、
いざ実行するとなると別問題です。





閉鎖系である管理社会に馴染みすぎた我々にとっては
開放系に憧れこそあるけれど、理解しずらいのです。



加減を掴まない自由は「放任」と同義である以上、
自己組織化を生みだすことはないでしょう。



下手すれば、とんでもない結果を迎える可能性もある。



☞ ☞




そこでリゾームの概念の登場です。
それは「管理」でも「放任」でもない第三の道です。



清水博氏は「動的なリズムが場の形態を形成する」と言ってます。




リズムとは中村雄二郎のリズム論、
unreveのいう拍子です。




まさに、秩序は動的な勢いの繰り返しなんですね。



生命知としての場の論理―柳生新陰流に見る共創の理 (中公新書)/中央公論社


¥840

Amazon.co.jp





例えばプレゼン会議という「場」で、
個人がプレゼンを行う場合が近い。





クライアントがそれを見ている。
そこにはパワーポントや動画など、場としてのシステムがある。





プレゼン側は、あらかじめテーマやシナリオ
必要な情報を与えられているけれど、





いったん話しだすと、あとはもうその場の雰囲気で
臨機応変に演じるわけです。





つまり、大まかな筋という拘束条件のもとで、
大ざっぱに決められるのですが、





具体的にはプレゼンターとクライアントの相互関係によって、
選択されたり、再構築しながら進行させていくでしょう。





それは、全体として一つの筋を生成的に自己組織しながら
展開していく、故に場違いな発言はできません。




まsない自己生産しながら自己組織に組み込んでいくという、
意味のある操作情報がある、これが「場の動的なリズム」です。





ただ、そこに至る前段階が必要なのですが
それは時間がある時にでも。







☞ ☞ ☞



長くなったのでまとめます。



システムは外部によって画一化されますので
閉鎖系となります、それでは相転移は生まれない。



自立や自律は「自覚」によって生まれます。
それが内部から起こるまで、待たなくてはいけない。



近代は、その自立性を急ぐあまり、
結果として個(自我)の成長となりましたが、



本来の日本は仏教を基礎とし、
「場の文化」を生み出した経験をもつ、世界でも珍しい国。




その自覚さえあれば複雑系の経済はこの国にとって
歓迎すべきものとなる気がするのですが、皆さんはどう思われますか^^?


0 件のコメント:

コメントを投稿