2015/04/27

書評



この間、本屋で新刊を見てたら
篠田桃紅さんの本が出てました。




「103歳になってわかったこと」。
芸術家から見た人生観がやわらかく、
そして鋭く書かれています。









第一章 
100歳になってわかったこと
・百歳はこの世の治外法権
・古代の「人」は一人で立っていた
・いい加減はすばらしい

第二章 
何歳からでも始められる
・頼らずに、自分の目で見る
・規則正しい毎日から自分を解放する
・1+1が10になる生き方

第三章 
自分の心のままに生きる
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい

第四章 
昔も今も生かされている
・よき友は、自分のなかで生きている
・悩み苦しむ心を救った日本の文学
・唯我独尊に生きる


幻冬舎 紹介ページより




良いですねえ、実に良書。
最近の新刊は滅多に読まないけれど、
こういった本は精神衛生上とても良い。



加減、適当、規則正しいからの解放。
うん、揺らぎ、遊びながらも志向性の働きがある。




精神が望んでいるものとの
上手な付き合い方が書かれていると
(僕は)思ってます。



☞ ☞




抽象画は、観る人によっていろんな
空間が無限に拡がるけれど、 

字を書いたときは、ひとつの世界、
ひとつの空間を楽しむという、また違う世界。 

わたしのなかには、ふたつあるの。





この言葉、痺れるじゃないですか。
なんかもう、惚れちゃいます。



「抽象的」というものは曖昧ではない、
自由な想像を働かせ、訴えるものであって



それは精神の働きを助ける力であり、
言挙げすることで限定されたものではない。



イマジネーションというものは排除せず、
やわらかく大きな志向性だけを作り上げるもの。




彼女はこの印象と抽象の「あいだ」を
黒ではない「玄」によって表現しているのでしょう。



☞ ☞



〜年を取るごとに、日常に
「無の境地」が生まれてくる〜




やはり、彼女も池田晶子氏や西田氏のように
絶対無絶対不可知の境地を感じている。



個人の限定された体験である以上、
語る事は難しいのですが、




幽玄の美というものの境地は
なんというか、魂が欲しているのかもしれませんね。




知識に加えて、感覚も磨けば物事の真価に近づく。




必要なのは統合の術だと、
改めて感じました。





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