2017/01/24

象を評す




最近メディアで「倒産件数は減少!」と
今の政策が正しいかのような記事を
書いてますが、それは単なるミスリード。
点だけで物事を見てるだけにすぎません。




東京商工リサーチを見れば2016年に
休廃業・解散した企業数は2万9583件、
調査開始(2000年)してから過去最多になってます。



つまり倒産せず休廃業や解散しているということ。







このように限定、断定することで
主張に力を持たせることをレトリックと呼びます。










以前書いたように、データ(数値)と
いうのは1点だけ見ても分からず、
言い方ひとつでなんとでも言えます。



例えば倒産件数の減少だって、金融機関が
返済を先延ばしにしているのもありますからね。



点で見ても分かるわけがないのです。
さらに言えば、2点(点と点)でも
線にしかならないのでまだ不十分、



3つを結んでようやく「面」、そして4つで
面から円となり、全体像が見えてくる。



それくらい多面的、多層的にやらないと
まったく意味がないんじゃないかしらん。






では上記のグラフに(簡単な)
「点」を増やしていきましょう。



まずここには「休廃業の理由」が
ありませんよね。いわば「内訳」の部分です。



営者の高齢化や後継者不足が
理由としてあるでしょう。
事業譲渡や会社分割しているかもしれません。


また、赤字倒産する前に多少の資金を残し
意図的に休止している可能性も考えられます。



こうすると少しだけ見えてきますね。
これに加え「多層的」に見るとさらに複雑です。



倒産している企業は地方か、都心か。
業種は?規模は?創業年数は?・・・・etc




ここまでくると着眼点というよりも
想像力の世界ですよね。



故に物事を「断言」することはとても難しい、
僕はそう思ってます。




✍✍




(差別用語で使えなくなったんですが)
目が見えない方がゾウを触っても
「ゾウ」の全体像はわかりません。



足を触った者は
「立派な柱のようなもの」と答えるし、
しっぽの根本を持った者は杖のようだと答えるでしょう。



腹を触ったら太鼓のよう、
おなかを触ったら壁のよう、
牙を触ったら角のようなものです。



もちろん部分(点)はゾウの一部で
間違いじゃない、



しかし正解でもないのです。




「後記」




ソクラテスは文字を発明すれば
それを覚えるだけの似非学者が
増えることを知っていました。



真理は対話問答の中から生まれる、と。
だからプラトンは「対話式」で書いたのです。



対話では勝利を得ようと言う
考えでやっていくものではありません。
誰かをやりこめるものではない、



誰かが勝つのではなく誰もが勝つ。



なぜならお互いが求めているものを
掴むことが目的なんですからね。







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